日本のオンライン診療は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機に急速に普及が進みました。国の今後の動向としては、単なる一時的な措置ではなく、恒常的な医療提供体制の一部としてオンライン診療を位置づけ、その普及と質の確保を両立させる方向で政策が推進されています。
以下に、厚生労働省をはじめとする国の動向を踏まえた、これからの日本のオンライン診療の発展について予測したいと思います。

オンライン診療の法制化と恒常的な位置づけ

厚生労働省など国の今後の動向を踏まえた日本の病院・クリニックにおけるオンライン診療の発展

これまで特例的な措置であったオンライン診療について、国は医療法に規定を盛り込むなど、恒常的な医療提供の手段として法制化を進めています。
具体的には、2025年(令和7年)の通常国会に提出が予定されている医療法改正案に「オンライン診療の法制化」の規定が盛り込まれる見込みです。これにより、オンライン診療を実施する場所や条件などがより明確化される方向です。

地域医療・へき地医療における活用推進

国は、オンライン診療が医療資源の少ない地域やへき地における医療アクセスを改善する重要な手段であると位置づけています。

  • 医師が常駐しない診療所の特例
    医師が常駐しない場所(へき地の公民館など)にオンライン診療のための診療所を特例的に認め、看護師や介護スタッフが患者の受診をサポートする「D to P with N(Doctor to Patient with Nurse)」の発展形が推進されています。
  • へき地要件の緩和
    へき地におけるオンライン診療の要件を緩和し、より柔軟な利用を可能にする検討が進められています。

診療報酬制度の整備と公平性の確保

診療報酬制度の整備と公平性の確保

オンライン診療の適正な普及には、医療機関の経営を支える診療報酬制度の整備が不可欠です。

  • 対面診療との報酬差縮小
    2024年の診療報酬改定では、情報通信機器を用いた初診料が引き上げられ、対面診療との差額が縮小されました。これはオンライン医療を推進しようという国の意向を示しています。
  • 質の確保と両立
    単なる診療報酬の引き上げではなく、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づき、対面診療と遜色のない質の高い医療が提供されることを前提として、診療報酬の評価が行われます。

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)との連携

厚生労働省など国の今後の動向を踏まえた日本の病院・クリニックにおけるオンライン診療の発展

オンライン診療は、単体で完結するのではなく、医療全体のDX推進と一体で進められています。

  • 電子処方箋の普及
    処方箋の電子化が進められており、オンライン診療とオンライン服薬指導、そして電子処方箋の組み合わせにより、医療機関・薬局・患者の利便性向上や医療の質の向上が期待されています。
  • 電子カルテ情報共有サービス
    全国的な医療情報の連携を可能にする「電子カルテ情報共有サービス」の推進と連動し、オンライン診療時にも患者の過去の診療情報を円滑に把握できる仕組みづくりが進められています。

技術革新と今後の展望

技術革新と今後の展望

AIやIoT技術の進展は、オンライン診療の可能性をさらに広げます。

  • AI活用: 症状のスクリーニングや緊急度の判定にAIを活用し、医師の負担を軽減し、患者の受診ハードルを下げる効果が期待されています。
  • ウェアラブル機器・IoTデバイスとの連携: スマートフォンやウェアラブル機器、IoTデバイスなどを活用した遠隔モニタリングがさらに普及することで、慢性疾患の管理や在宅医療の質の向上が見込まれます。

まとめ

オンライン診療は、今後、対面診療を補完する一時的な手段ではなく、日本の医療提供体制を支える重要な柱の一つとなります。国は、医療法改正による恒常的な位置づけ、へき地における活用推進、診療報酬制度の整備、そして医療DXとの連携を通じて、オンライン診療の普及と質の確保を両立させる方針です。

しかし、技術的な課題(通信環境など)や、高齢者などデジタルデバイスに不慣れな層への対応といった課題も依然として存在します。今後は、これらの課題を解決するための取り組みと、医療機関・患者双方の理解促進が発展の鍵となるでしょう。

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