今回は、保険診療の収益構造に限界を感じている開業医へ、オンライン診療とECサイト導入による経営改革を提案するものです。既存の患者資産を活かし、高額な機器投資をせずとも美容医療や物販を開始できる「スモールスタート」の利点を解説します。

診察室という物理的制約を超え、ネット上に「第2の診察室」を作ることで、リピート購入による安定したストック型収益を構築する具体的なクリニックの事例もご紹介いたします。構築から運用までの流れを理解し多忙な院長が最小限の負担で収益を最大化し、経営の選択肢を広げるための記事となります。

保険診療「一本足打法」の限界と、院長を蝕む静かな不安

保険診療「一本足打法」の限界と、院長を蝕む静かな不安

保険診療を行う地域医療を支える病院・クリニックでは、早朝より待合室に溢れる患者と鳴り止まない電話、そして山積みのバックオフィス業務やレセプト作業など。ドクター、スタッフの疲労が蓄積する状態が改善も追いつかないまま患者の診療を優先的に行う状況があります。

保険診療は、地域の人々にとって無くてはならない存在です。しかし、院長、経営者としての側面から見たとき、以下のような「閉塞感」を感じているかもしれません。

このような「閉塞感」を感じますか?

  • 「診察人数を増やせば増やすほど、自分の時間が削られ、体力の限界が見えてくる。」
  • 「診療報酬改定のたびに、経営の先行きに不安を覚える。」
  • 「美容医療や自費診療に興味はあるが、高額なレーザー機器を買うリスクや、スタッフを増員する余裕がない。」

もし一つでも当てはまるなら、このまま「労働集約型」の経営を続けることは、将来的なリスクとして考える必要もあります。保険診療は、点数という「天井」と制度改定に左右され経営者にとって今後の病院・クリニック経営の新たな柱をつくることも検討する必要が見えてきました。

その中で病院経営の利益を最大化するには、効率化を極めるか、自費診療という「天井のない世界」を組み込む方向は検討することも重要です。

しかし、ここでご紹介したいのは、従来の「場所」や「人」に依存する美容医療へのシフトではありません。病院・クリニックの既存の資産である「信頼関係で結ばれた既存の患者様」に更なる貢献を行うためにネット上に「第2の診察室」と「自動売店」の仕組みを作る。オンライン診療とEC(電子商取引)サイトの融合です。

これは単なるITツールの導入ではありません。クリニックの収益構造そのものを変革する「経営シフト」と位置づける時がきました。

なぜ「保険診療 × オンライン美容」の組み合わせなのか?

なぜ「保険診療 × オンライン美容」の組み合わせなのか?

1. すでに持っている「最大級の資産」を活かす

多くの美容クリニックは、高額な広告費を投じて新規客を獲得しようと躍記になります。しかし、一般内科や皮膚科の先生には、すでに数千人単位の「既存患者」という強力な資産があります。

ニキビに悩む女子高生、生活習慣病で通院しながらも「最近太りやすくなった」と嘆く中高年、あるいは肌の衰えを気にしている高齢の女性。彼らは皆、潜在的な美容ニーズを持っています。わざわざ派手な美容クリニックに行くのは気後れしても、いつも通っている「かかりつけ医」で、美肌の内服薬や医療用ダイエット、AGA治療が受けられるとなれば、これほど心強いことはありません。

2. 「スモールスタート」でリスクを最小化する

2022年頃より、美容医療領域でのオンライン導入は急増しています。

その主な対象は、美肌治療、ダイエット、AGA、ドクターズコスメなどです。これらに共通するのは、「高額な設備投資が不要」であること。

数千万円のレーザー機器をリースする必要はありません。まずは内服薬や外用薬、そしてエビデンスのあるドクターズコスメから始められると言うメリットがあります。

3. 「時間」と「場所」の制約を突破する

オンライン診療の最大のメリットは、診察室が満床でも、先生の「隙間時間」で対応できる点にあります。患者にとってのメリットとは、通院負担(移動・待ち時間)を軽減でき、女性の場合はお化粧もせず外出する必要もないという特に忙しい現役世代の患者から絶大な支持を得ています。

先生は、通常の診療が終わった後の15分や、お昼休みの少しの時間を使って、画面越しに「お薬の調子はどうですか?」と診療を行います。物理的なスペースを一切使わずに、自費診療部門を保険診療の軸とともに回転させることが可能となります。

【徹底解説】収益化の導入事例

【徹底解説】収益シミュレーション一例

ここでは、経営者として最も気になる「数字」の話に触れたいと思います。

オンライン診療とECサイトを組み合わせた時、どれほどの「ストック型収益」が生まれるのか。具体的な一例をご紹介いたします。

ドクターズコスメと内服薬(美肌・ニキビ治療)の導入

ドクターズコスメ(例:ゼオスキン、リビジョン等)や美容内服薬をクリニックで取り扱い、オンライン診療後のECサイトで購入・発送する仕組みを構築したクリニックの一例です。

  • 単価設定:1人あたりの月間購入平均額(客単価)を21,000円と想定。
    • (1)美容内服セット(シナール、トラネキサム酸、ユベラなどを組み合わせ)
      1ヶ月分:約6,000円
    • (2)ドクターズコスメ:1回あたり約15,000円
  • 原価率:70%(利益率 30%)。

1. 既存患者30人が継続した一例

保険診療で通院している病院・クリニックの患者のうち、30人がこのサービスを利用し、毎月継続した商法を実施。

月間売上21,000円×30人=630,000円
【支出】
オンラン診療+ECサイト利用料(月額)目安
(1)サービス月額利用料
約15,000円
(2)診療決済手数料
約6,000円×約3%×30名=5,400円
(3)カード決済手数料
約15,000円×約3.5%×30名=15,750円
(4)月額運用保守費用(概算)
約20,000円
【合計】56,150円
【支出】
商品配送料箱代(概算)
1配送:約700円×30名=21,000円
箱代:約120円×30名=3,600円
【合計】24,600円
月間利益(概算)189,000円-80,750円=108,250円
年間利益(概算)1,299,000円
(このPhaseでは、ストック型収益の仕組み化を重視。)
上記には、人件費、初期制作費用(ECサイト制作)は含まれません。

2. 導入約1年後、利用者数50人を達成

毎月コツコツと院内告知を行い、利用者が50人まで増えた売上・利益概算です。

月間売上21,000円×50人=1,050,000円
【支出分】
オンラン診療+ECサイト利用料(月額)目安
(1)サービス月額利用料
約15,000円
(2)診療決済手数料
約6,000円×約3%×50名=9,000円
(3)カード決済手数料
約15,000円×約3.5%×50名=26,250円
(4)月額運用保守費用(概算)
約20,000円
【合計】70,250円
【支出
商品配送料箱代(概算)
1配送:約700円×50名=35,000円
箱代:約120円×50名=6,000円
【合計】41,000円
月間利益(概算)315,000円-111,250円=203,750円
年間利益(概算)2,445,000円
上記には、人件費、初期制作費用(ECサイト制作)は含まれません。

新規獲得 vs 既存活用のコスト比較

ここで注目すべきは、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上です。
従来の対面診療のみでは、「薬が切れたが忙しくて来院できない。」「待ち時間が多く通えなくなった。」などの理由で、多くの患者が離脱していたこともあります。これは経営において莫大な機会損失となります。

オンライン診療とECサイトの組み合わせがあれば、患者は自宅にいながら診察を受け、24時間好きな時にECサイトでドクターズコスメなどを購入することができます。通院のハードルを下げることで継続率が飛躍的に高まり、計算可能な「ストック収益型」の仕組み化が行えます。

年間 4,889,400円(概算)の利益増。これは、新しい医師を雇ったり、分院を出したりするリスクを冒さずとも、「ネット上の第2診察室」が自動的に生み出してくれる数字が見えてきます。

なぜ、既存患者への新たな治療提案が重要なのか?

マーケティングの世界には「1:5の法則」という言葉があります。

新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるという法則です。特に競争が激化する美容医療・自費診療領域では、この差はさらに顕著になります。

多くの先生方が「自費を始めるなら新規を呼ばなければ。」と考えがちですが、以下のコスト比較を見れば、既存患者へのアプローチがいかに重要かご判断いただけます。

項目新規患者の獲得
(広告依存型)
既存患者への提案
(信頼活用型)
主なコストリスティング広告、SNS広告、ポータルサイト掲載費院内ポスター、診察時の案内(ほぼ0円)
獲得単価(CPA)5,000円 〜 15,000円以上 / 人ほぼ0円
成約までのハードル高い(信頼構築から始める必要がある)低い(すでに先生を信頼している)
利益確定の速さ広告費を回収するまで赤字初回から高い利益率を確保可能

なぜ「既存患者へのオンライン提供」が最優先なのか?

「肌荒れで通っている患者」に、「オンラインで買えるドクターズコスメ」を提案することは、患者にとっては「通院の手間を省きつつ、信頼できる先生から美しくなる手段を教わる」という新しい価値の提供になります。

  • 信頼の転用
    すでにカルテがあり、体質や背景を知っている強み。
  • 離脱の防止
    「忙しくて来られない」という理由で他院(大手美容クリニック等)へ流出するのを防ぐ。
  • LTVの最大化
    保険診療(短期)だけでなく、自費・物販(長期)で一人当たりの生涯売上を高める。

莫大な広告費を投じて新規客を追いかける前に、まずは足元にある「信頼という資産」を収益に変えることが利益最大化への取り組みでもあります。

オンライン診療とECは、そのための最もスマートで堅実な今後の病院・クリニックの成長の鍵となります。

しかし、「ECサイト」は誰が作るのか?

しかし、「ECサイト」は誰が作るのか?

「ECサイトはどのようにつくるのか? カート機能? 決済手数料? 配送作業は誰がやるのか?」
「日々の診療で手一杯なのに、ネットショップの管理・運用なんてできるのか…?」などの不安もよぎるかと思います。

院長のお仕事は「医療」であって「ITの運用」ではありません。だからこそ、多くのクリニックがシステムだけを導入して途中で挫折するケースが多くあります。

私たちアイラボは、経営者・院長先生方と共に病院・クリニックで「売れる仕組み」を構築するための全行程を伴走支援いたします。

  1. ECサイトの丸ごと構築支援
    決済機能から在庫管理まで、先生の手を煩わせることなく、ECサービスを利用してカスタマイズ・制作を支援します。
  2. 「売れる仕組み」のデザインを伴奏
    オンライン診療やECサイトの仕組みを作るだけでなく、院内での告知用ポスターやパンフレットの制作、スタッフへの説明フローまでトータルでサポートします。
  3. リピート対策の運用支援
    ドクターズコスメ等によるリピート購入を促すための院内、Webマーケティング施策を共に考案し実行します。

先生には診察室で「オンラインでもお薬を出せますよ。」「このコスメはオンライン診療とECでいつでも購入できますよ。」と一言添えいただき連携を図ります。それ以外の面倒なことはすべて当社で行うことも可能です。

オンライン診療で患者満足度は上がる?

オンライン診療で患者満足度は上がる?

アイラボの運営支援する美容クリニックの患者満足度は非常に高く、約8割が「便利」と回答しています。特に通院負担の軽減や自宅で落ち着いて受診できる点が評価されています。

オンライン診療による美容医療の普及メリットとは?

オンライン診療による美容医療の普及メリットとは?

2022年頃よりオンライン診療は、特に美容医療クリニックでの導入が急激に進みました。美容クリニックでは、美肌・メディカルダイエット、ED、AGAの薬処方やドクターズコスメなどのオンライン診療による提供を行い既存患者への利便性の改善とともに継続率を向上しています。

導入の際に注意すべき手続きやルールは?

  • かかりつけ医の存在が基本で、定期的な対面診療との併用が求められます。
  • 初診では対面が原則であり、オンラインは継続的な診療に限定されます。
  • 情報通信費の加算など、診療報酬のルールへの対応も必要です。

まとめ

オンライン診療は、クリニックにも患者にも多くの利点をもたらします。

通院負担の軽減、診療効率のアップ、患者満足度の向上など大きなメリットがある一方で、診察情報の制限や処方制限、通信機器の準備、セキュリティなどに気を配る必要があります。

制度の理解と併用体制の整備を進めれば、次世代のクリニック運営における重要な武器となります。

オンライン診療・EC収益シュミレーション提供!

貴院でオンライン診療を検討されている際には、提供する内服セットの単価、そして、ドクターズコスメや商品のセット販売価格を下記のシュミレーションに追加を行いどのくらいの売上・利益が想定されるのかをご確認ください。概算ではありますがイメージをご理解いただけます。

オンライン診療・EC収益シュミレーション

自費・物販導入による「ストック型収益」を可視化します

10人 30人 300人
自院の想定する価格に変更してください。
自院の想定する価格に変更してください。
【支出費用の目安】
・オンラン診療+ECサービス月額利用料:15,000円想定
・オンラン診療決済手数料:3%想定
・ECサイトカード決済手数料:3.5%想定
・月額サイト運用保守費用:20,000円想定
・配送料・箱代は1件あたり820円想定
※上記シミュレーションには人件費、初期制作費用は含まれません。

1日に必要なオンライン診療時間

0
※月の診療日数を22日と固定しております。
※オンライン診療時間を1名10分と想定した診療時間の目安となります。

月間売上予測

0
客単価(セット合計):0円

月間推定利益

0
年間推定利益:0円
総支出合計:0円
【支出内訳】
システム利用料(固定):15,000円
保守費用(固定):20,000円
決済手数料(変動):0円
配送料・箱代(変動):0円

よくあるご質問

Q
オンライン診療で初診は受けられますか?
Q
処方箋はどうなるの?
Q
インターネット環境が悪くても大丈夫?
Q
オンライン診療は高齢者にも向いていますか?
Q
個人情報やプライバシーは安全?

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